帆村の話に、三根夫はうなった。なるほど未開地の原地人は、たしかに衣食住に金を払っていないようだ。原地人のほうが文明人よりも幸福といえるのだろうか。いやいや、どうもすこしちがうようだ。このことは、ゆっくり考えてみよう。
「衣食住のものは無料でも、ほかの品物はお金をださないと買えないんでしょうか」
「そういうものもあるらしいね。たとえば、ほら、あの店に並んでいる額にはいっている油絵。あれには値段をかいた札がつけてあるよ」
「あ、なるほど。三十五ドルと、値段がついていますね。地球の値段より高いですね」
「ほら、あのとなりには人形を売っている。あれにも値段の札がついている」
「ええ、ついていますね。これはおどろいた」
「三根クン。ぼくたちの目には見えない品物が店に並んでいるとは思わないか」
「えっ、なんですって」
 ふしぎなことを帆村がいったので、三根夫は目をぱちくり。

 

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